イランとイスラエルの停戦合意は、アメリカのバンカーバスター(地中貫通爆弾)による攻撃が大きく影響している可能性が高い。一種類の強力な兵器が株価や原油価格をも左右してしまうなんて、恐ろしいですね。
停戦
最新の情報(2025年6月24日時点)によると、ドナルド・トランプ米大統領がイスラエルとイランの「完全かつ全面的な停戦」合意を発表しました。
この合意に至る直前に、米軍がイランの複数の核施設に対して大規模な空爆を実施し、その際に「バンカーバスター」が使用されたと報じられています。
バンカーバスター攻撃の効果と停戦への影響
1.核開発能力への直接的な打撃
FNNプライムオンラインの報道によると、イラン核施設攻撃ではバンカーバスター「GBU-57」が初めて実戦使用された可能性があります。
IAEA(国際原子力機関)の事務局長は、空爆されたイラン中部フォルドゥーの核施設について「重大な損傷が発生したと予想される」と述べており、施設に複数のクレーターが確認されたとのことです。
JBpressの報道では、トランプ氏が21日に「イランのフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの3つの核施設への攻撃は大成功を収めた」と投稿し、「イランの主要な核濃縮施設は完全に破壊された」と主張しています。
バンカーバスターは、地下深くに建設された核施設を破壊することを目的とした兵器であり、その攻撃はイランの核開発能力に壊滅的な影響を与えた可能性が高いです。
2.イランへの強力な圧力
米軍による核施設への攻撃は、イランに対して「核開発を続けるならば、容赦なく主要施設を破壊する」という非常に強いメッセージを送ったことになります。
Newsweek Japanによると、トランプ大統領は「イランが和平に応じない場合はさらなる攻撃に直面する」と警告しており、これは停戦への圧力をかけたものと見られます。
核施設への直接的な攻撃は、イランにとって経済的・軍事的に大きな損失であり、これ以上のエスカレーションを避けるための要因となった可能性が高いです。
3.外交的解決への道筋
CNNの報道によると、イランはカタールを仲介役として、停戦に向けた米側の提案に合意したとされており、イスラエルも米国に応じる構えを示したことで、トランプ氏の発表に至ったようです。
バンカーバスターによる攻撃は、外交的な話し合いを進める上で、アメリカとイスラエルが交渉を有利に進めるための強力なカードとして機能した可能性があります。
懸念点
ニューヨーク・タイムズは、フォルドゥーの施設は深刻な損害を受けたものの、完全に破壊されてはいないとする分析を伝えています。
また、イラン側が攻撃を受ける前にウランを含む設備を移動させていた可能性も指摘されています。もしこれが事実であれば、攻撃の効果は限定的だったという見方も出てくるかもしれません。
イラン外相は現時点ではいかなる停戦に関する「合意」も存在しないとSNSに投稿している、という報道もあり、停戦の確実性については引き続き注視が必要です。
ただし、同時に「イスラエルが午前4時までに攻撃を停止した場合、我々は対応を続けるつもりはない」とも述べており、事実上の停戦に応じる姿勢は見せています。
バンカーバスターによってもたらされた停戦か
イランとイスラエルの停戦合意は、トランプ米大統領が発表したものであり、その直前に行われた米軍によるイラン核施設へのバンカーバスター攻撃が、イランに停戦に応じさせる強力な要因となった可能性は極めて高いと考えられます。
この攻撃がイランの核開発能力に与えた物理的・心理的影響は甚大であり、それが結果として現在の停戦の流れに繋がったと推測されます。
金融市場への影響
原油価格の下落ホルムズ海峡封鎖のリスクが低下し、供給不安が後退することで、国際原油価格は下落します。これは、エネルギーコストの低下を意味し、インフレ懸念を和らげます。
株価の上昇(リスクオン)
原油価格の下落は、企業(特に製造業、運輸業など)のコスト削減につながり、収益改善への期待が高まります。
地政学リスクの緩和は、投資家が「安全資産」から「リスク資産」へ資金を戻す「リスクオン」の動きを加速させます。不確実性が減ることで、市場全体のセンチメントが改善し、株式市場は上昇基調となる傾向があります。
特に、地政学リスクが高まった際に売られていた銘柄(テクノロジー株など)が買い戻される可能性があります。
このように、バンカーバスターという特定の兵器の「使用」や「効果」が、直接的に物理的な破壊をもたらすだけでなく、その背後にある政治的メッセージや地政学的パワーバランスの変化を通じて、間接的にではありますが、世界の金融市場(株価、原油価格など)に大きな影響を与えることになります。
まさに、外交と軍事行動が経済に直結する典型的な例と言えますね。停戦自体はありがたいことですが、すごい時代になったものです。