1枚のSuica(またはPASMO、ICOCA)をiPhoneとApple Watchの両方で同時に使うことはできないんですよね…。なにかいい方法はないものか。
Apple WatchにSuicaを転送すると、iPhoneからはそのSuicaが使えなくなります。これは、FeliCaチップという改札通過などに使われるICチップの仕組み上、1つのSuicaデータは同時に1つのデバイスにしか存在できないためです。
この点は確かに不便に感じられるかもしれませんね。特に、状況によってiPhoneとApple Watchを使い分けたい方にとっては悩ましいところです。
解決策と代替案
この「不便さ」を解消するために、いくつか方法があります。
SuicaをiPhoneとApple Watch間で移動させる:
1枚のSuicaを、必要に応じてiPhoneとApple Watchの間で移行(転送)させることができます。
例えば、普段はiPhoneで使っていて、ランニングの時だけApple Watchに移して使う、といった運用が可能です。
デメリット: 移行には数分かかる場合があり、通信環境も必要なので、急いでいる時には不向きです。
Suicaを2枚発行する:
iPhone用に1枚、Apple Watch用に1枚、合計2枚のSuica(またはPASMO、ICOCA)を発行・登録する方法です。
それぞれのデバイスで独立してSuicaが使えるため、どちらかのバッテリー切れを気にすることなく、使いたい時に使いたいデバイスで改札を通過できます。
デメリット:
残高管理が2枚分必要になります。
定期券を両方のSuicaに登録することはできません(原則として1枚のSuicaに1枚の定期券)。もし定期券を使っている場合、定期券が入っているSuicaはどちらか片方に固定されることになります。
新規発行手数料やデポジットがかかる場合があります(モバイルSuicaの場合はデポジットはかかりません)。
クレジットカードをApple Watchにも設定する:
SuicaやPASMOは同時併用できないんですが、クレジットカードはiPhoneとApple Watchの両方に同じカードを登録して同時に使用できます。
もし、コンビニなどのApple Payでの支払いが主な目的であれば、クレジットカードをApple Watchに登録しておけば、iPhoneがなくても支払いが可能です。改札通過はできませんが、一部の店舗での買い物は手ぶらでできるようになります。
どの方法がベストか?
「とにかく改札でサッと使いたい」という場面が中心で、残高管理をシンプルにしたい場合:
1枚のSuicaをiPhoneとApple Watchで移動させるのが現実的かもしれません。ただし、移動の手間は考慮が必要です。
「iPhoneもApple Watchも、いつでも改札で使いたい」という場面が多く、残高管理の手間を許容できる場合:
2枚のSuicaを発行するのが最もストレスが少ないでしょう。
「改札通過はiPhoneで十分、それ以外のApple Pay支払いだけ手ぶらでしたい」場合:
Apple Watchにクレジットカードを登録するのがおすすめです。
この仕様はApple Watchに限らず、NFCを利用した決済システム全般に共通する制限なので、残念ながら避けられない部分ではあります。