プラグ・パワー社は、電気を動力源とする機器や自動車に搭載されている従来の電池に代わる水素燃料電池システムの設計・製造を行うアメリカの企業です。
プラグ・パワーの株価・チャート
プラグ・パワーの財務情報
プラグ・パワーの株価が300％以上急騰
ウォール街は最近プラグ・パワーに注目していますが、投資家からも概ね期待されているようです。
燃料電池のパイオニアであるプラグパワーの株式は、第二四半期の業績が驚異的な勢いで上昇し、年間累計で300％以上も急騰しています。
また、プラグ・パワーの手法が今のトレンドに基づいていることも見逃せません。
水素燃料電池メーカーは、風力発電や太陽光発電ではアクセスできないあらゆる場所にグリーンエネルギーを提供できるようになると期待されています。
また、ESG（環境・社会・ガバナンス）投資のトレンドは、10年後に向けて加速していくと予想されています。
プラグ・パワーの事業自体も問題なく進んでいます。
8月19日、同社は小規模ロボット、無人航空機（UAV）、自動誘導車（AGV）、様々な航空宇宙アプリケーションで動作する1kWの燃料電池システム「ProGen」を発売すると発表した。
この新しい軽量燃料電池システムは、燃料に圧縮水素を使用し、Plugが2019年6月に買収したモントリオールの燃料電池システム会社EnergyOrが開発した技術をベースにしています。
H.C.ウェインライトのアナリスト、アミット・ダヤル氏は、プラグの純収益は2024年に11億ドルに上昇し、プラグのガイダンスである12億ドルをわずかに下回ると予想しています。
た。
さらに先を見据えると、5つ星アナリストは、2020年の売上高が2億8770万ドルから2028年には26億ドルに跳ね上がり、8年間の年平均成長率31.8%でプラグ・パワーは「新たなエンドマーケットを含む製品ポートフォリオの拡大に積極的であり続ける」と予測しています。
同社は、過年度と比較して、最近の資金調達により、これらの取り組みにリソースを割くことができるようになったと考えられています。
ドローンやロボット用の燃料電池設計に関する開発努力は、同社の中核となる輸送機器の設計や効率性の向上にもつながる可能性もあります。
また、Amazonなどの既存の顧客は、効率性とシステムのアップタイムの向上を優先しているため、このようなサービスを早期に採用する見込みもあるでしょう。
そのため、アミット・ダヤル氏はプラグ・パワー社の株を「買い」とし、目標価格は14ドルとしています。
ウォール街では依然として、燃料電池メーカーへの支持が厚いですね。
プラグ・パワーのコンセンサス評価「Strong Buy」は、9つの「Buy」と2つの「Hold」に基づいています。
しかし、アナリストは株式の上昇基調が続いていることから、近日中に内容を修正する可能性が高いとみています。
今のところ、12.12ドルの平均価格目標で行くと、株式は6％下落すると予想されています。
株価急騰の理由を探る
プラグパワー(NASDAQ:PLUG)株は絶好調であり、株価は昨年の同じ時期とは比較にならないほどの水準にあります。
この驚異的な高騰の理由とはいったい何でしょうか？
プラグパワー社はここ数年で収益を飛躍的に伸ばしています。
さらに、同社はその勢いを利用して堅実な条件で資本を調達しています。
社債発行で2億ドルを調達し、最近発表された株式募集で3億ドル以上を追加する予定まであります。
また、業界の話題性も理由のひとつ。
電気自動車メーカーは注目度が高く、特に水素はクリーンテックの分野で注目を集めています。
では、投資家はプラグ・パワーの株を買うべきでしょうか？
一歩踏み出す前に、注意点がいくつかあります。
ひとつは、同社の売上高の大部分がわずか2社の顧客を対象としているため、売上高の成長が不均一であることです。
さらに、プラグ・パワーは当面の間は多くの現金を持っていますが、株式の提供に頼るのではなく、プラグパワー自身で意味のある現金を確保できるかは不明なのです。
水素ブームは、投資家が期待しているほどプラグ・パワーの事業の助けにはならないかもしれません。
関連記事：プラグ・パワー(PLUG)の将来性 FuelCell Energyとの比較
サービス概要
引用：https://www.plugpower.com
同社はニューヨーク州レイサムに本社を置き、ワシントン州スポケーンとニューヨーク州ロチェスターに施設を持っています。
プラグ・パワー社のGenDriveシステムは、プラグパワー社とバラード・パワー・システムズ社の両社が製造した燃料電池を統合し、水素貯蔵システムを搭載しているため、鉛蓄電池では数時間かかるのに対し、数分で充電が可能となります。
これにより、シフト終了時に出力が低下する従来のバッテリーと比較して、水素を動力とするフォークリフトを一定の安定した出力で稼働させることができるようになりました。
GenDriveユニットは、従来のバッテリー用に設計されたのと同じぐらいのスペースで利用できます。
水素燃料電池（HFC）の利点
水素燃料電池は有害な排出物を発生しないため、電池酸やディーゼル燃料のような有害物質の取り扱いや保管に伴うコストがかかりません。
実際、純粋な水素を燃料とした場合、副産物は熱と水のみであり、当社の水素燃料電池は廃棄物を排出せずに活用できる、希少な電源と言えます。
さらに、水素燃料電池の技術は、華氏40度以下の寒冷地、ハリケーンや砂漠、冬の嵐などの気象環境、さらには物流倉庫などの過酷なビジネス環境にも対応できることで注目されています。
アメリカ合衆国エネルギー省によると、水素燃料電池のエネルギー効率は一般的に40～60％です。
これは、一般的な自動車の内燃機関のエネルギー効率が約25％であるのと比較しても遜色ありません。
プラグ・パワー社は、水素燃料電池を活用することで電気自動車の走行距離を伸ばしたり、燃料電池フォークリフトを使用することで、倉庫の生産性を最大15%向上させることができると言います。
さらに一般的な内燃発電機に比べて、燃料電池はコストの節約が可能。
電池を交換、充電、管理する必要がないため、労働力、時間、スペース、ピーク時の電力需要が減少します。
ユニットは鉛蓄電池よりも長く稼働し、わずか2分で燃料を補給できるため、車両や人員のダウンタイムが大幅に削減。
定置電力用の燃焼式発電機と比較して、メンテナンスが簡単で、現場への訪問回数が少ないため、運用コストを最大84%削減することができる、と同社は言います。
信頼性が高く、四半期に一度のサイトメンテナンス訪問すら不要となり、サイトの作業員は重要な作業に集中することが可能なわけです。
プラグ・パワーの歴史
プラグ・パワー社は、1997年にDTEエナジー社とメカニカルテクノロジー社の合弁会社として設立されました。
同社は2002年に株式を公開。
屋内フォークリフトは、Nike、BMW、ウォルマート、ザ・ホーム・デポ、メルセデス・ベンツ、クローガー、ホールフーズ・マーケットなど名だたる企業を顧客として保有する同社の、最初のマーケットとなりました。
北米のFCフォークリフト導入において、プFCユニットメーカーとしてのラグ・パワー社のシェアは実に89％と圧倒的な数字を持っています。
2017年2月には、電気配達車用に設計された同社の燃料電池エンジンProGenの初出荷と、メリーランド州キャピトルハイツのUSPSトラックフリートによる同社のGenDriveシステムの採用を発表。
2020年2月には、クラス6～8のトラックや大型オフロード車向けに125kWのProgen燃料電池エンジンを発売しています。