犬がSFTSに感染した場合の症状や犬から人への感染リスクについて

SFTSウイルスは、主にマダニが媒介する感染症です。犬も散歩中に草むらや藪などに立ち入ることで、マダニに刺されてSFTSウイルスに感染することがあります。

犬がSFTSに感染した場合の症状

犬がSFTSウイルスに感染しても、症状が出ない(不顕性感染)こともありますが、以下のような症状が見られることがあります。

発熱

元気・食欲の消失

消化器症状(嘔吐、下痢など)

血小板・白血球の減少

肝酵素の上昇

黄疸

重症化すると命に関わることもあり、犬での致死率は約29%という報告もあります(猫はさらに高く、50~70%)。

犬から人への感染リスク

SFTSは「人獣共通感染症」であり、SFTSウイルスに感染した犬や猫の血液、唾液、体液などに触れることで、人にも感染する可能性があります。

そのため、愛犬がSFTSに感染している可能性がある場合や、体調が悪い場合は、咬まれたり舐められたりしないように注意し、動物病院を受診することが重要です。

犬のSFTS予防策

SFTSを予防するためには、マダニ対策が最も重要です。

マダニ予防薬の定期的な投与:獣医さんと相談し、月に1回程度のマダニ予防薬(錠剤タイプ、スポットタイプなど)を投与しましょう。

散歩時の注意:

マダニが多く生息する草むらや藪、河川敷、公園の茂みなどを避けて散歩しましょう。特に春から秋にかけてマダニが活発になるので注意が必要です。

明るい色の服を着せることで、マダニが付着しているのを見つけやすくなります。

帰宅後のチェックとブラッシング:散歩から帰ったら、必ず犬の体をすみずみまでチェックし、マダニが付いていないか確認しましょう。特に耳の付け根、首、脇の下、股、足の間など、マダニが隠れやすい場所を重点的に見ましょう。目の細かい櫛でブラッシングするのも効果的です。

マダニを発見した場合

犬にマダニが食い込んでいるのを発見しても、無理に引き抜こうとしないでください。マダニの一部が残ってしまったり、マダニの体液を犬の体内に逆流させてしまう可能性があります。速やかに動物病院を受診し、獣医さんに安全に除去してもらいましょう。

過剰な触れ合いを控える:犬の健康状態が不明な場合や、万が一感染している可能性がある場合は、口移しで食べ物を与えたり、一緒に布団で寝るなどの過剰な触れ合いは控えましょう。触った後は必ず手洗いを徹底してください。

愛犬の健康を守るためにも、日頃からマダニ対策をしっかり行い、異変に気づいたらすぐに動物病院に相談するようにしましょう。