ビットコインとイーサリアムは、先行者利益から多大な恩恵を受けてきた仮想通貨であり、今なお根強い人気を誇っています。しかし私はアバランチ、クアンタム、アルゴランドに注目しています。
アバランチ(CRYPTO:AVAX)
長期的な魅力を持つ仮想通貨の筆頭はアバランチです。
言時点では約220億ドル(2.5兆円)の価値があり、最大の暗号通貨の中で12位にランクされています。
アバランチはスマートコントラクトベースのブロックチェーンネットワークで、スピード、スケーラビリティ、互換性に基づいてビットコインやイーサリアムよりも優れています。
とにかく低コスト
イーサリアムは人気があるものの、平均取引手数料は10月初めから20ドルを超えています。
あまりに高すぎるでしょう。
送金手数料が安いことも仮想通貨の大きな魅力だったはずです。
ビットコインの平均取引手数料は同じ期間に2ドルを超えることがほとんどです。
また、ビットコインは1秒間に7回、イーサリアムは13回の取引を処理することができ、それぞれの取引は60分と6分で確定されます。
では、これらの数字を、ネットワークが4,500TPS以上の処理が可能で、2秒以内にトランザクションを確定するアバランチと比較するとどうですか?
典型的なアバランチのトランザクションは、ビットコインやイーサリアムよりもかなり低いコストで済むのです。
EVMを組み込んでいること
アバランチが特に熱いのは、そのブロックチェーンにEthereum Virtual Machine(EVM)を組み込んでいる点です。
EVMは、開発者がイーサリアムのブロックチェーン上に分散型アプリケーション(dApps)を作成するためのソフトウェア。
アバランチは、地球上で最も人気のあるdAppツールを、処理速度と取引手数料がより有利な同社の超効率的ネットワークに効果的に配置しているのです。
クアンタム(CRYPTO:QTUM)
優良銘柄を探している投資家にとって、日本では「クアンタム」と発音されるクアンタム(CRYPTO:QTUM)は今注目を集めています。
国内ではGMOコインで購入できるので、去年仕込んで大きな利益を出した人も多いですね。
かつては時価総額の大きなデジタル通貨の1つだったクアンタムは、トップ100からわずかに外れ、現在は10億ドル(約1100億円)を下回る時価総額になっています。
アバランチの後に見ると、すこし低めに見えるかもしれません。
ただ、クアンタムが持つブロックチェーンベースのネットワークは、競争上の優位性を念頭に置いて構築されているのは見逃せないポイントです。
「いいとこ取り」に成功
クアンタムの成功の秘密は、開発者が「ビットコインとイーサリアムの良いところを取り入れ、1つのネットワークに統合したこと」に尽きるでしょう。
ビットコインから、クアンタムの開発者は安全性の高いUTXO取引モデルを採用しています。
一方、イーサリアムからは、ネットワークがスマートコントラクト機能を活用しているんです。
人々がお金を送るにせよ、より複雑な取引を処理するにせよ、すべてクアンタムのネットワーク上で行うことが可能です。
互換性の高さ
他に注目すべきは、EVMがクアンタムのブロックチェーンネットワークと互換性があることです。
これは、dApp開発者がイーサリアムと比較して、より優れたスケーリング(最大70TPS)とかなり低い取引手数料を享受できることを意味しているのです。
AALの導入
クアンタムのもう一つの差別化要因は、Account Abstraction Layer (AAL)です。
AALは、開発者がネットワーク上のスマートコンタクト機能を継続的にアップグレードでき、なおかつUTXO取引モデルとの互換性を維持できるようにする技術的要素です。
アルゴランド(CRYPTO:ALGO)
私がビットコインやイーサリアムよりはるかにエキサイティングだと思う3番目の暗号通貨は、スマートコントラクト主導のブロックチェーンネットワークアルゴランド(CRYPTO:ALGO)です。
アバランチと同様に、アルゴランドはビットコインやイーサリアムに対する競争力とその差別化によって際立っています。
革新的な処理速度
例えば、アルゴランドの開発チームによる12月のアップデートでは、平均4.36秒のブロックファイナリティを提供し、1,162TPSの処理が可能なのです。
既存のインフラを使った典型的なクロスボーダー決済は、検証と決済に1週間かかることを考えると、4.36秒で決済を完了するアルゴランドのネットワークは、革新的と言えるでしょう。
今後の金融を大きく変える可能性があります。
相互運用性に重点を置いている点も見逃せません。
現在、CoinMarketCapには約17,000の暗号通貨が上場していて、その他にも何千、何万ものブロックチェーン・プロジェクトが進行中です。
これらのプロジェクトの中には、互いに互換性のあるものもありますが、多くはそうでもありません。
それぞれが独立しているのです。
アルゴランドは、これらの互換性のギャップを埋めることに真摯に取り組み、お金、ファイル、データを迅速かつ安全に交換できるようにします。
そしてアルゴランドの最後の利点は、PPoS(pure proof of stake)と呼ばれるネットワーク独自の合意形成メカニズムです。
従来のプルーフ・オブ・ステーク型ブロックチェーンでは、トークンの少人数保有者がネットワークを混乱させることもできてしまいます。
アルゴランドのPPoSは、提案に投票しブロックを提案するALGOホルダーをランダムかつ秘密裏に選ぶため、このようなネットワーク妨害の可能性を事実上排除することができるんです。
仮想通貨に集まる期待
株式市場は歴史的に世界最大の富の創出源といって良いでしょう。
しかし近年、多くの有名な仮想通貨がブロードマーケットインデックスの周囲を回っています。
この中には、仮想通貨コミュニティの2大ブランドであるビットコイン(CRYPTO:BTC)とイーサリアム(CRYPTO:ETH)も含まれています。
この5年間、ベンチマークであるS&P500は105%高だったが、ビットコインとイーサリアムは5年間でそれぞれ5,200%、34,200%近い上昇を記録しているのです。
人々がいかに仮想通貨に期待しているかがわかりますね。
ビットコインとイーサリアムがはらむリスク
時価総額の大きい2つの暗号通貨に投資家が注目するのは、当然のことでしょう。
ただ、両者とも先行者利益をもたらしているからこそ、人気なのです。
ビットコインは取引可能な最初のデジタル通貨であり、他のどのトークンよりも多くの投資家に受け入れられています。
他の仮想通貨に比べると安心感もあるでしょう。
この9月にはエルサルバドルで法定通貨になったほどです。
一方、イーサリアムは、スマートコントラクトベースのブロックチェーンネットワークとして初めて登場。
スマートコントラクトとは、2者間の契約交渉を検証し、促進し、強制するプロトコルのことです。
スマートコントラクトは、ブロックチェーン技術の応用を単なる決済にとどまらず、デジタルIDからサプライチェーン管理まで広げるものとして大きな期待を集めました。
しかし、ビットコインとイーサリアムが暗号通貨の中で時価総額1位と2位であることには、納得できるものの、懸念点もあります。
懸念1.特に普及していない事実
例えば、投資家は新しい技術の普及を過大評価してきた長い歴史があります。
ブロックチェーンが将来的に主流になる可能性はあると思いますが、既存のインフラに取って代わるには時間がかかるでしょう。
現に、思ったほどはサービスに組み込まれていません。
あなたは実生活で、最近ブロックチェーンを利用したサービスに触れましたか?
おそらく無いでしょう。
暗号技術全体が今後数年間で、実世界での最小限の応用に見合うように期待が膨らみ、大幅な逆行高に直面する可能性もあります。
懸念2.常に激しい競争にさらされている
また、ビットコインやイーサリアムのような初期世代の仮想通貨は、新しいブロックチェーン・プロジェクトによって常に希薄化されていることにも注意が必要です。
ほとんどのプロジェクトは大したことはないにしても、少なくとも一握りのユニークなプロジェクトは、「ビッグ2」に対する競争力を提供することになるでしょう。
仮想通貨が長期的かつ現実的に魅力的であるためには、競争力と差別化が重要になるのは間違いありません。
上に挙げた3つの仮想通貨は、ビットコインやイーサリアムよりも期待できると考えています。