2022年のプラグパワーは微妙 僕が全部手放したわけ

水素燃料電池は話題にされるほど採用されていないし、競争も激しく、赤字続き。発信する内容にもイマイチ信用ができない、というのがざっくりとした理由です。

夢の技術と話題になったが…

水素燃料電池は、ずっと投資家の注目を集めてきました。

燃料電池は、副産物が水だけであるように発電できて、燃料電池に使用する水素が再生可能エネルギーで製造されたものであれば、有害な排出物は発生しない、と声高に発信され続けました。

とはいえ、プラグパワーが打ち出す技術を商業的に成功させるには、環境にやさしいだけでなく、もっと多くのことが求められています。

一部の投資家やアナリストは、この分野とそこで事業を行おうとしている企業の財務的な実現可能性に疑問を抱いている、というのが現状です。

実際、燃料電池電気自動車の成長は、バッテリー電気自動車に遅れをとっています。

さらに、ディーゼルエンジン搭載のトラックや発電機、他の燃料電池メーカーとの激しい競争に直面しているのです。

プラグパワーは2025年までに17%の営業利益率を達成すると見込んでいますが、本当にそうなるでしょうか?

水素燃料電池は大して採用されていない件

水素ステーション

燃料電池電気自動車(FCEV)の成長は、バッテリー電気自動車(BEV)に比べて全然ショボいんです。

2021年に世界で販売されたFCEVは2万台未満。

昨年、世界で約600万台の電気自動車が販売されたことを考えると、これは微々たるものです。誤差です。

BEV と FCEV の両方を普及させるには、それを支えるインフラに多大な投資をする必要があります。

BEV の成長に伴い、政府や企業には FCEV の成長に必要なインフラを整備する利点があまりないといえるでしょう。

コスト高と燃料補給ステーションの不足が、燃料電池車の成長を阻む主な要因のひとつです。

でもこれ、だいぶ前から言われてますよね?

燃料電池は、大型輸送、航空、船舶、定置電力など、他のさまざまな分野でも応用が可能ではあります。

しかし、この場面での成長は、プラグパワー社やその投資家が期待しているよりもずっと遅くなる可能性が高いと見ています。

競争が激しい

ライト FCEV 以外の分野でも、プラグパワー社は大きな競争に直面しています。

まず、いくつかの自動車メーカーが、今後数ヶ月から数年のうちに電気トラックの量産を計画しています。

また、燃料電池トラックで前進している現代自動車やトヨタ自動車などの企業は、自社で燃料電池を製造しているんです。

プラグパワー社は定置型電源への進出を計画しているんですが、この分野ではブルーム・エナジー社(NYSE:BE)などがすでに事業を展開しています。

ブルーム・エナジーの固体酸化物燃料電池は、プラグパワーが得意とするプロトン交換膜電池に比べてコストが低いなど、定置型発電において一定の優位性を持っていると言えるでしょう。

プラグパワー社は、ディーゼルエンジン搭載のトラックや発電機、およびクリーンなエネルギー源への転換を目指す顧客に燃料電池を提供する他の企業との激しい競争に打ち勝たなくてはなりません。

そんな力が残っているのでしょうか?

ずっと、赤字

このブログでも再三言ってますが、プラグパワー社は20年以上にわたって、一度も年間黒字を出したことがないんです。

常に現金を消費してきたうえに、収益が伸びても、最近の四半期では損失が拡大しているのが問題です。

プラグパワー社が2025年までに営業利益率17%を生み出すという目標を達成することは難しいでしょう。

イマイチ信用できない

プラグパワー社の2025年の営業利益率目標は、塩漬けにしておく必要があります。

同社には、これまでにもガイダンスを実現しなかった、という残念な実績があります。

例えば、2013年にプラグパワー社は、2014年にEBITDAS(金利・税金・減価償却費・株式報酬前利益)のブレークイーブンを達成すると主張していました。

7年以上経った現在も達成していないし、2016年には、2017年以降にキャッシュフローがプラスになると予想していた割には5年後の現在も、キャッシュを消費しまくってます。

プラグパワーの最新のガイダンスも、微妙なところです。

昨年6月、同社の経営陣は2024年までに売上総利益率を30%にすると予想。

10月、同社はこの目標を2025年に向けてのものとしたのですが、これは当初の2024年の目標について何も言わずに、2025年に目標を移しただけなんです。

プラグパワーは、燃料電池を主流にしようとしているが、簡単なことではありません。

パイオニアとして、成功すれば大きな利益を得ることができますが、燃料電池の普及が限定的であることや、この分野での競争が激しいことを考えると、同社の株価はまだかなり高い評価で取引されているように思われます。

プラグパワー社の株価は、52週目の高値から70%以上下落しているとはいえ、3年前の株価から15倍もアップ。大丈夫なのか?

また、P/S(株価収益率)も13倍以上と高い水準で取引されています。

高成長銘柄が高いP/Sレシオで取引されるのは珍しいことではないですが、プラグパワー社が気になるのは、黒字化への道筋が明確でないように見えること。

ずっと赤字なのに、まだ夢を見続けるなんて僕にはできませんでした。

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