クアルコム(QCOM)の株価振るわず 事業の成長性は低い?

クアルコム(QCOM)は、2020年には投資家に大きな利益をもたらしたが、2021年にはそれがかなり難しくなっています。実際、同株は年初来で11%下落しており、チップ業界のバロメーター指数であるPHLXセミコンダクター(SOX)指数が今年生み出した15%のリターンを大きく下回っているのです。

しかし、クアルコムの2つの主要セグメントであるQTLとQCTを見てみると、J.P.モルガンのSOTP分析では、同社の株価が過小評価されていることがわかります。

クアルコム 株価

アナリストのチャテジー氏はクアルコムの株をオーバーウェイト(買い)とし、175ドルの目標株価を設定しています。この予測が予想通りになれば、投資家は30%の利益を得ることができます。

彼は、QTLを 「配当を提供する成熟した低成長事業」と見ています。アナリストは、「QTLスマートフォンの収益/利益は横ばい」という認識が的外れではないことを認める一方で、非ハンドセットの成長を約10億ドルの収益ランレートで見込んでおり、少なくとも「10代半ばのペース」で成長するはずだと述べています。チャテジー氏は、このセグメントが「投資家に過小評価されている」と述べ、予測されるアップサイドの1/4はQTLに起因するものであると考えています。

残りの3/4はQCTに割り当てられます。QCTは、「スマートフォン技術におけるリーダーシップを活用して、自動車、IoT、コンピュータなどへの多角化を推進する成長事業」とチャタジーは見ています。

また、彼は、この分野はコンセンサスの予想をはるかに上回る業績を達成できると考えており、中期的にはCAGR(年複利成長率)10~15%で収益を増加させると予測しています。

これは、スマートフォンのベースバンド市場の成長がFY22から減速する可能性があることを認めているにもかかわらずです。

しかし、スマートフォンの成長が鈍化しても、スマートフォン以外のエンドマーケット(前述の自動車、IoT、コンピュート分野)からの収益が加速することで相殺されます。

また、クアルコムに対する現在の否定的な見方の理由のひとつとして、Appleが計画通りにiPhoneのモデムをクアルコムに委託せずに自社で製造するようになった場合、クアルコムが失うことになる大きなビジネスを挙げています。

しかし、このようなApple社からのディスインターメディエーション(仲介金融機関離れ)はすでに織り込み済みであり、いずれにしてもそれが起こる可能性はかなり低いはずです。

クアルコムの平均目標株価を見ると、公正価値よりも低い価格で取引されていると思われます。

この目標値は169.42ドルで、1年間のアップサイドは26%となっています。

全体的に、クアルコムのコンセンサスレーティングは「中程度の買い」で、「買い」が8件、「保留」が6件、「売り」が1件といったところです。

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